不祝儀とは何か?香典との違い・不祝儀袋の書き方・マナーをわかりやすく解説

2026

不祝儀(ぶしゅうぎ)とは、葬儀・弔事全般を指す言葉であり、文脈によっては香典そのものを指すこともあります。「祝儀」の反対語で、慶事(祝い事)に対する弔事(不幸・悲しみの事柄)を表す上品な言い回しです。この記事では、不祝儀の意味・香典との関係・不祝儀袋の選び方と書き方・渡し方のマナーまで整理してお伝えします。

不祝儀とは何か

不祝儀とは何か

不祝儀の基本的な意味

不祝儀とは、「不」祝儀という文字のとおり、お祝い事(祝儀)の反対にあたる弔事・不幸の事柄を指す言葉です。広義では葬儀・葬式そのものを指し、狭義では葬儀に持参する香典(金銭の包み)を指します。

日常会話ではあまり使われない言葉ですが、葬儀関係の案内や文書では「不祝儀袋」という形で登場することがあります。「不祝儀袋」は香典袋(こうでんぶくろ)と同じものを指す言葉として使われています。

葬儀や弔事で使われる場面

不祝儀という言葉が使われる主な場面は以下のとおりです。

  • 「不祝儀袋」:香典を包む袋のこと。「香典袋」と同義
  • 「不祝儀を持参する」:香典(お供え物としての現金)を持っていくこと
  • 「不祝儀が重なる」:不幸な出来事が続くこと
  • 「不祝儀事(ぶしゅうぎごと)」:葬儀・法要などの弔事全般

地域によって異なる呼び方

地方・農村部など地域によっては、香典のことを「不祝儀」と呼ぶ習慣が残っているところがあります。都市部では「香典」が一般的な呼称ですが、地方では不祝儀という表現が使われることがあります。「不祝儀」と言われたときは文脈に応じて「葬儀に持参する香典のこと」と理解してかまいません。

不祝儀の意味については、葬儀屋さんによる不祝儀と香典の違い解説記事も参考になります。

不祝儀と香典の違い

不祝儀と香典の関係性

「不祝儀」と「香典」は、厳密には同じものを指す場合と少し意味の異なる場合があります。

言葉 意味の範囲
不祝儀(ぶしゅうぎ) 弔事全般を指す言葉。広義では葬儀・法要そのもの。狭義では弔事に持参するお金の包み(香典)を指す
香典(こうでん) 弔事に持参する現金のお供え物。もともとは線香・抹香・花の代わりとして渡す慣習から発展した

実際にはどう使い分けるのか

実際の場面では、「香典を持参する」「不祝儀を渡す」はほぼ同じ意味で使われます。不祝儀袋と香典袋も同じものです。違いは言葉の丁寧さと格調にあり、「不祝儀」の方が改まった表現です。

言葉の意味を整理しておくポイント

  • 「不祝儀袋を準備してください」と言われたら → 香典袋を用意するということ
  • 「不祝儀の場」「不祝儀事が続く」と言われたら → 弔事(葬儀・法要)のことを指している
  • 「不祝儀には招かれていない」と言われたら → 葬儀への参列に関する話

宗教・宗派による不祝儀の扱い

宗教・宗派による不祝儀の扱い

仏教での表書きの考え方

仏教では以下の表書きが一般的です。

  • 「御霊前」:四十九日前に使う。多くの仏教宗派で共通して使用できる
  • 「御香典」「御香料」:宗派を問わず広く使える
  • 「御仏前」:四十九日以降の法要に使う
  • 浄土真宗は例外:亡くなった直後から成仏するという考え方のため、通夜・葬儀から「御仏前」を使う。「御霊前」は使わない

神道での表書きの考え方

神道では仏教の表書きとは異なる言葉を使います。

  • 「御玉串料」「御榊料」「御霊前」「御神前」が一般的
  • 水引は白黒・双銀・双白の結び切り(関西では黄白も使用)
  • 蓮の花が描かれたのし紙・香典袋は仏教専用のため使わない。無地のものを選ぶ

キリスト教での表書きの考え方

  • カトリック:「御花料」「御ミサ料」。「御霊前」を使うこともできる
  • プロテスタント:「御花料」「献花料」「弔慰金」。「御霊前」はプロテスタントでは異教的とされるため使わない
  • 水引は基本的につけない。白い無地の封筒または十字架・ユリの絵入りの袋を使う

宗教が分からないときの確認方法

喪家の宗教・宗派がわからない場合は「御香典」または「御霊前」が最も広く対応できます。不安な場合は近親の親族に確認するか、葬儀案内の状差しや葬儀社に問い合わせる方法もあります。宗派が明確になってから表書きを選ぶのが最も確実です。

不祝儀袋の選び方

不祝儀袋の選び方

不祝儀袋と香典袋の違い

不祝儀袋と香典袋は同じものです。商品パッケージに「不祝儀袋」と書かれているものも「香典袋」と書かれているものも、どちらを選んでも問題ありません。

不祝儀袋はコンビニエンスストア・スーパー・百貨店・文具店・100均・書店・仏具店などで購入できます。急な訃報の際でもコンビニで入手できるため、あわてる必要はありません。

水引や封筒の選び方

不祝儀袋は包む金額に合わせた格のものを選びます。

包む金額の目安 不祝儀袋の種類
5,000円以下 水引が印刷された略式袋
1万〜2万円 黒白または双銀の水引付き(7〜10本)
3万〜5万円 双銀の水引付き(10本以上)
10万円以上 高級和紙を使った大判のもの

水引の結び方は「結び切り」または「鮑結び」を選びます。蝶結びは「何度あってもよい慶事」を意味するため弔事には使いません。

用途に合った袋を選ぶポイント

  • 仏式:蓮の花入りのもの(他宗教には使用不可)
  • 神式・宗派不明:無地の白い袋または無地の封筒
  • キリスト教:白無地または十字架・ユリの絵入り。水引なし

不祝儀袋の書き方については、ようこそのお葬式による不祝儀袋の書き方解説記事も参考になります。

不祝儀袋の書き方

不祝儀袋の書き方

表書きの基本

不祝儀袋(香典袋)の表書きは、水引の上段に表書き、下段に自分のフルネームを縦書きします。

  • 筆記用具:毛筆または筆ペン。通夜・葬儀段階は薄墨で書くのが礼儀(四十九日後の法要は濃墨に切り替える)
  • ボールペン・鉛筆・色付きのペンはマナー違反
  • 慶弔スタンプの使用は遺族によって失礼と感じることがあるため、基本的には薄墨の筆ペンを使用する

名前や中袋の記入方法

  • 下段(名前):フルネームを縦書きで水引の下中央に記入
  • 夫婦連名:中央に夫のフルネーム、左に妻の名前(姓は省略可)
  • 3名までの連名:右から目上の順に書く
  • 4名以上:「〇〇一同」としてまとめ、別紙に全員の名前を記入して同封する
  • 中袋(住所・氏名・金額):黒のサインペン・ボールペンでも可。金額は旧漢数字(大字)で縦書き(例:金壱萬圓也)

薄墨を使う場面と注意点

薄墨を使うのは通夜・葬儀・初七日までが基本です。四十九日法要以降は通常の黒墨(濃墨)を使います。薄墨で中袋まで書くと文字が読みにくくなるため、中袋は黒のサインペンやボールペンを使うことが遺族への配慮になります。

薄墨の使い方については、呉竹筆ペンによる薄墨の使い方解説記事もあわせてご参照ください。

不祝儀の金額相場

親族の場合の目安

故人との関係・渡す側の年齢によって金額の目安が変わります。

故人との関係 20代の目安 30〜40代の目安 50代以上の目安
両親 3万〜5万円 5万〜10万円 10万円程度
祖父母・兄弟姉妹 1万〜2万円 3万〜5万円 5万円程度
叔父・叔母 1万円程度 1万〜3万円 3万〜5万円

友人・知人・職場関係の場合の目安

故人との関係 金額の目安
親しい友人 1万〜3万円程度
職場の同僚・上司・部下 5,000円程度
顔なじみ・ご近所 3,000円〜1万円程度

金額を決めるときの考え方

4・9の数字は「死」「苦」を連想させるため、該当する金額は避けます(4万円・9万円など)。また、偶数は「割れる」「ペア」を連想させるとして奇数を好む慣習がありますが、近年は2万円でも問題ないとされています。迷った場合は他の親族や同僚に確認して金額を揃えると後のトラブルを防げます。

不祝儀の金額相場については、All Aboutによる香典・不祝儀マナー解説記事も参考になります。

不祝儀の渡し方

通夜・葬儀で渡すタイミング

不祝儀(香典)は通夜または葬儀・告別式の受付で渡します。両方に参列する場合でも、渡すのはどちらか一方だけで問題ありません。一般的には先に参列する通夜の受付で渡すことが多いです。

受付では会葬者名簿への記帳も行います。不祝儀袋は袱紗(ふくさ)に包んで持参し、受付の前で取り出して表書きが相手から読める向きにして両手で差し出します。

参列できない場合の郵送方法

通夜・葬儀のいずれにも参列できない場合は、現金書留で郵送します。

  • 不祝儀袋に入れた状態で現金書留の封筒に入れる
  • お悔やみの手紙を同封する(「参列かなわず誠に申し訳ございません」など)
  • 葬儀前日までに届くよう手配する。間に合わない場合は葬儀後でも可
  • 四十九日後に送る場合は「御霊前」から「御仏前」に表書きを変える

失礼にならないための配慮

  • 参列できない場合は事前に遺族へ連絡を入れる
  • 弔電を別途手配し、その旨を遺族に伝えておく
  • 後日弔問する場合は必ず事前に連絡を入れてから伺う(突然の訪問は失礼)

まとめ

不祝儀とは何かの要点整理

  • 不祝儀は「祝儀」の反対。弔事全般を指す言葉であり、香典そのものを指すこともある
  • 不祝儀袋と香典袋は同じもの。どちらの表記の商品でも使用可能
  • 地域によっては香典のことを「不祝儀」と呼ぶ慣習がある
  • 宗教によって不祝儀(香典)の扱い・表書き・水引の色が異なる

香典や不祝儀袋のマナーで押さえるべきポイント

  • □ 包む金額に合った不祝儀袋(香典袋)を選ぶ
  • □ 水引は結び切りまたは鮑結びを選ぶ(蝶結びは使わない)
  • □ 仏式は蓮の花入り、神式・キリスト教は無地を選ぶ
  • □ 通夜・葬儀段階は薄墨で表書きと名前を書く。四十九日以降は濃墨
  • □ 中袋の住所・金額はボールペン・サインペンでも可
  • □ 金額は旧漢数字(大字)で記入。4・9が入る金額は避ける
  • □ 袱紗に包んで持参し、受付の前で取り出して両手で渡す

新じいの徒然なるままにでは、葬儀・法要に関する実践的なマナー情報を継続的に取り上げています。

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